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迫り来る危機と投資の必要性(1)

今からそう遠くない

おそらく、5年から10年先

早ければ3年ほど先に

大変な事が起きる可能性がある事を

拙者は危惧しておりまする。

 

思えば

これまで、日本人が「絶対」と思い込んでいた事がいくつか崩壊してきました。


今から30年前の「土地神話」の崩壊


今から20年前の「終身雇用」の崩壊


ここ10年ぐらいであろうか?

「持家神話」もそうだが

「日本人のモラル」も崩壊してきている気がしまする。

 

次に崩壊するのは「現金神話」ではないだろうか?

それが、すぐにではないが、先ほど申し上げた、そう遠くないうちにやってくるような気がしてならぬ。

 

拙者は別に「破滅論者」でも「悲観主義者」でもござらぬ。

 

でも、その種は、確実にまかれ、徐々に芽吹こうとしておる。

 

客人の方々は、「人口動態」というものをご存知であろうか?

 

いわゆる「少子高齢化」というやつだが

具体的な実情をご存知か?

 

今からおよそ10年前の2008年をもって、日本の人口は既に減り始めている。


この10年で減った人口はおよそ320万人強

これは仙台のある宮城藩(県)と秋田藩(県)の全ての人がいなくなったのに等しい。


労働人口(16~64才)となると、さらに深刻だ。既に1300万人強が減っておる。

これは江戸(東京都)の人口に匹敵する。

驚くべき数だ。

 

童(子供)の数も減り続けている


現在70代のいわゆる「団塊の世代」の元々の1年当たり人口のピークは250万人


その子供に当たる「団塊の世代ジュニア」だと200万人


それが、今の二十歳だと120万人


生まれてくる赤子の数は、とうとう100万人を切ってしまった。


一年当たり人口が半分となった今、

これで人口を増やすとなると

夫婦二人て平均て5.6人の子供を生まないと、人口の低下は食い止められない。

世間で言われている2-3人では、人口動態の関係で、物理的に減少を止めるのは不可能。

つまり、程度の差で、どうあがこうが、もはやこの流れは食い止められない。ということじゃ。

 

ただし、実際の就労人口(仕事についてる人)の減少は350万人程度。


労働人口は労働可能な人全員の数

就労人口は実際に働いている人


つまり、これまで労働を終え、本来であればリタイアしていた人、専業主婦になっていた人を駆り出して、なんとか「労働者不足」を埋めている状況だ。それでも埋まりきれてないが。。。。

 


労働者不足、売り手市場

 

これだけ聞くと、景気がよく、この先も楽観的に考えられそうだが、それは違う!

 

お気づきだろうか?

 

かつては拡大志向だった大企業が、合併してその数が減っていっている事を


 これまで、大量採用を行ってきた金融や保険業界を見てみるとよい。小売りやメーカーにもこの流れは見てとれる。

 

確かにIT産業はここからさらに伸びるだろう。


しかし、日の本の国において

全産業を見回しても

ここ30年ほどの間に、日本のベンチャー企業が、世界的大企業となり、多くの雇用を行った例があるだろうか?


あった、たった一つだけ


武将 孫正義率いる

柔らか両替商(ソフトバンク)藩


あとはせいぜい

武将 柳井正率いる

諭憎路(ユニクロ)藩


ぐらいではないだろうか?


米国には、

マイクロソフト帝国、アマゾン帝国、林檎帝国、乳母帝国


中国には

アリババ城、テンセント城、百度城、ファーウェイ城


をはじめとして、多数の帝国と城、それに次ぐ集団が多数あるにも関わらず


である。


この意味する所は


この先、経済自体のパイが縮小して、仕事そのものが減っていく。それに合わせて企業数も減っていくという事である。

 

今の環境がこのまま続くと思ったら大間違いである事に、いずれ多くの人が気づくであろう。

 

あまり騒がれないが


世界の主要国の中で、人口が減少しているのは、日本とロシアしかない。


ロシアはまだいい。

掘れば石油でも、天然ガスでも出てくる資源国だ。

 

しかし、日本には資源はない。


メタンハイドレード」という夢物語が一時流行ったが、「シェールガスシェールオイル」の技術がある今。採掘コストがどうあがいても合わない。

 

物事は「量×質」で決まる


人口(量)の減少に対し、生産性(質)を上げればいいのだろうが、量の減少ペースが早すぎて、質で補う事は極めて難しい。

 

サラリーマンの収入(全平均)も減少している。


今から25年ほど前は530万円ほどあったが、今は430万円。実に100万円も減ってしまった。もちろん、非正規雇用が増えた事も要因ではあるが、稼げなくなってきている事に変わりはない。

 

先日、

「年金だけじゃあ、二千万円足りねえ😱」

議論が盛りあがって?いたが

別に生きていけなくなる訳ではない。

 

日本は海外と比べ、セーフティネットは今のところあるので、生きていくだけなら、それはできるだろう。生きていくだけなら。。。


もちろん「厚生年金」という制度があるので、サラリーマンでも、年金収入はピンキリだったりはする。

 

ただ、これらの議論には、とても大事な要素が抜けている。前提条件に無理がある。

 

その前提条件とは、


「今の制度や物価水準がこのまま変わらなければ」


という事である。

 

例えば、現在の「社会保障費」、年金ばかりが注目されがちだが、医療費や介護費はどうするのか?

高齢化と現役世代のバランスは益々悪化するため、増大の一途となる上、高額医療も増加するため、益々計算が合わなくなってくる

 

国の収支を見ても、毎年支出は100兆円近い所、税収は頑張って60兆円、既に公的債務(借金)は1200兆円近い。

 

これを人に例えると、年収600万円の家庭が、毎年1000万円の暮らしをして、既に借金が1億2000万円ある状態である。

 

はっきり言って「異常」だ。


仮に借金を「マイホームローン」みたいなもの。と考えたとしても、その額が異常なのは、「マイホームローン」を持っている方ならわかるだろう。


今時、国が国債を発行して借金を持つのは当たり前だとしても、

せいぜい、この額の1/2~1/3ぐらいが限界ではないだろうか?

 


しかし、「国が潰れる!😱」と慌てふためく必要はない。

 

なぜなら、国は中央銀行(日銀)を通じて、いくらでもお金(円)を発行できる。


そして、それを国のお金として、理論上は無限に供給できる。


そして、それは既に始まっている。


「禁断の日銀引き受け」と言われるのがそれだ。


国は国債を発行し、それを日銀が引き取る。

そして国はそのお金を使って、国の経済を回せばよい。


日銀は「直接引き受けている訳ではなく、市場から買っているので違う」と言い張っているが、市場を通そうが、通すまいが、やっている事とその効果は一緒だ。

 

かつて、国の経済をこの方法で回そうとして国があった。南アフリカの「ジンバブエ」という国だ。海外から輸入品を買うために、お金を刷って刷って刷りまくった。


その結果起きたのが「インフレ(物価上昇)」だ。

 

「インフレ」には二種類ある。

 

一つは経済が活性化し成長する事でもたらされる「ディマンドプル(需要が引っ張る)インフレ」いわゆる「いいインフレ」だ。

 

もう一つは

何らかの要因によって、物価だけが先行して上昇する「コストプッシュ(コストが押し上げる)インフレ」いわゆる「悪いインフレ」だ。

 

ジンバブエではこれが起きてしまった。

結果、物価がどんどん上昇し、「ハイパーインフレ」という、とんてもないペースで物価が上昇する事態となり、それに合わせて新しい紙幣を作り続けた結果、とうとう「一兆ジンバブエドル」という紙幣まで登場した。

 

0の数を数えるだけでも大変そうだ。

 

しかし、それでも追い付かず、通貨そのものの信頼すら無くなり、事実上「ジンバブエドル」は消滅してしまった。

今でもジンバブエ人の家には、ジンバブエドルの札束が転がっているが、それは鼻紙以下の扱いを受けている「記念品」に過ぎない。

 

ジンバブエ人はその後どうしたか?

 

お金がないと「物々交換」をやるしかなくなってしまうため、隣国の南アフリカの通貨「ランド」とアメリカドルを自国通貨の代わりとして使っている。

 

ちなみに、今のベネズエラもこの状態だ

 

もちろん、「日本」と「ジンバブエ」には違いはある。経済的生産価値の乏しい「ジンバブエ」と資源はないが、未だ技術力と労働人口を抱え、衰える方向にあるとは言え「付加価値」を生み出す力のある日本では、同じようなペースにはならない。

 

しかし、程度の差はあれ、方向性は同じと言える。私が危惧している5-10年後に来るであろう出来事とは「悪いインフレ」の事である。それも「ハイパー」はなくとも「スーパー」程度はあり得ると読んでいる。

 

「スーパー」って、どれくらい?

 

そうだのう~「年率20%レベル」ぐらいはあるかもしれぬ。

 

実は日本人は過去にこれを経験している。


団塊の世代の方ならわかると思うが

今から50年近く前の「オイルショック(石油危機)」の時には、実際、これくらい行っておる。

 

ただ、当時は日本は成長真盛りの時期だったので、一時的な影響で済んだが、

今度はどうかな?🤔

 


最近、米国で「現代金融論(MMT)」という経済理論?が登場しておるようだ。

 

これは極論すると

 

「国は通貨を沢山発行して、積極的に経済政策を行うことで経済を持続的に成長させる事ができる」

 

「しかも、それによる急激な物価上昇(過度なインフレ)を心配する必要はない」

 

「何より、それを実践しているのが日本だ」

 

という内容なんだそうだ。


さすが「黄金の国 ジパング!」

\(^o^)/


と喜んでいる場合でもなかったりする

 

今のところ、日本をはじめとして、各国の政府や中央銀行はこれを否定しているが

 

確かに日本はやっておる

国も日銀も認める訳にいかないだけで

 

しかも、「今のところ大丈夫」かもしぬが

 

「過度なインフレ」に向かって「チキンレース」をやっとるんじゃあ~(><)

 

簡略化した計算になりますが

公的債務(国の借金) -1200兆円

個人金融資産  1850兆円ほど

企業保有の現預金 200兆円ほど

 

差し引きすると、まだ800兆円以上プラスかな?国全体として見ればだけど。

 

だから大丈夫!

 

という考え方もあるが

 

じゃあ、どうやって個人や企業に払わせるの?

 

ここが問題

 

個人や企業が自らお金を差し出す事はあり得ない

 

税金で取ろうにも、僅か2%の消費税の引き上げですら、この有り様

 

国の公的債務(借金)が減らずとも、今の年間収支を均衡させるだけでも、上げなきゃいけない消費税の税率はあと20%、つまり30%の消費税が必要だが、そんなの通るはずないし、仮に通ったとしても、今と同じ量の消費をしないといけないので、やっぱり物理的に無理。

 

では、八方塞がりなのか?

 

実はたった一つだけ方法がある。

 

意図的に、あるいは結果的に、

インフレを起こせばよい。

しかも、スーパーレベル以上の

 

「インフレは隠れた税金である」

という言葉をご存知か?

 

簡略化して話すと

仮に明日の朝起きたら

全ての物とサービスの値段が今の2倍になっていたとしよう。

 

その瞬間から、皆さんの持っているお金の価値は半分だ。

見た目の金額は変わらなくても。である。

 

しかし、

 

同時に国の借金も、その価値は半分なのだ

 

つまり、健全とまではいかなくとも、他の国と比べ、やや悪いかな?問題ない程度で。

 

となってしまう。

 

もちろん、一晩では大げさだが

 

年率7%のインフレが10年続くと効果は同じだ。

これが

年率25%だと、わずか3年だ

 

そんな事、起きるはずがない

 

そう思いたい気持ちはわかるが

 

かつて、日本はそれを経験している。

 

そして、

 

ここ数年のトルコはその状態だ。

トルコは新興国の中でも、比較的先進国に近い国だ。

現在、トルコのインフレ率は20%前後を推移している

これも通貨を発行し過ぎた報いだ

 

でも、日本は大丈夫

 

と言い切れるなら、その根拠をぜひ聞いてみたいものだ。

 

ては、具体的に、どのようにそれが引き起こされる可能性があるか

 

それを次回、論じてみたい