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困った時の2段買い(売り)

欲しい銘柄がある

 

でも、もう一段下があるかもしれない。

 

しかし、ここで逃して上に行ったら買い逃してしまう。それは避けたい。

 

投資家なら誰もが陥るジレンマ

 

そんな時にどうしますか?

 

そんな時に有効な方法が「2段買い」「2段売り」です。

 

 

例えば時価1100円の有望銘柄

 

状況は高値1300円から2割ほど押した所で調整中

 

チャート的にも、心理的にも1000円手前(上)は狙い所

 

しかし、1000円を割ってしまうと、チャート的に800円台があり得る状況。

 

「今しかないぞ!」という悪魔👿君と

 

「もっと慎重になれ!」という天使👼君!

 

どっちを信じるべきか?

 

私なら

 

銘柄の強さにもよりますが

 

まず、1060円~時価1100円で、予定の半分仕込みます。(仮に時価1100円で仕込んだとします)

 

しかし、残念ながら1000円割れ!

 

(根拠のない)お得感のある980円!

 

でも手を出しちゃダメ!

 

冷静に考えましょう。

 

(1100円+980円)÷2=1040円

(-60円/-5.45%)

 

これでは、想定される価格変動率が20~40%ある銘柄としては割が合いません。

せめて、-10%程度は平均単価の引き下げ効果がないと、やるべきではないと思います。

 

そうでないならそのまま持つべきですし、そこから株価が上昇したら、そのまま(予定の半分で)利益を取りにいけばいいだけです。

 

前のめりになると「チャンスは今しかない!」と思いがちですが、そんな事はありません。

 

相場が中期的に上昇トレンドである限り、言い換えれば相場が本当のピークを迎えない限り、自身で銘柄の幅を狭めない限り、いくらでもチャンスは来ます。

 

また、ナンピンしたにも関わらず、心理的な節目である「1000円」を、時価と平均単価(もしくは平均損益点)で挟むのもいただけません。

 

ならばどうするか?

 

チャートポイントである800円台を待つのが賢明です。多少時間がかかってでもです。

 

そして、株価が800円めがけて下がってきたとしましょう。

 

この時、チャートポイント手前820円て買いを入れます。

 

そうすると

(1100円+820円)÷2=960円

(-140円/-12.7%)

株数にもよりますが、これなら戻りの1000円トライに失敗しても、若干の利益か、若干の損で済みます。

 

ちなみに、ナンピンを入れる時の条件は

①会社の利益成長において、致命的な事象が発生していない

②損失(あるいは損失懸念)は発生するものの、あくまで一時的なものであり、その後、再び成長軌道に戻る事でV字回復が見込める

③そもそも、根も葉もない理由や噂で下げている

④買われ過ぎた反動で下げただけである

⑤株価に(ファンダメンタルズ的に)割安感がある

⑥相場全体がピークを越えていない

⑦物色対象としてもピークを越えていない

 

これらを検証する必要があります。

 

くれぐも、市場心理に惑わされないように。

 

 

そして、売る時も同様です

 

短期的な急騰が起きた所で、とりあえず利益確定

 

具体例としては

 

例えば時価1200円の有望銘柄

方向性は上向き

買値は1100円

 

状況は調整後1000円で折り返し、前回高値1300円をこれから試す展開

期待値は1500円

 

さあ、どうする?

 

この場合

 

まず1280円で売りを出す

 

これが売れたとすると、コストを考えない場合、売却時点で180円分の利益を確保。

 

この時点で、トータルの損益点は

1100円-180円=920円

となります。

 

これなら、株価が1000円割れとなった時点で、成り行きで売却しても、利益を確保できます。

 

もし、これをやらなければ、株価が1100円に下がってきた時点で、大きな決断を下さなければならなくなりますし、そこから1000円割れとなったら、心理的に正常な判断ができなくなる可能性があります。

 

もちろん、さきほど述べた条件に比して、「依然買いである」と判断したならば、再度買いに行く事もできます。

 

「いったん売り」をやってなければ、買い増すにも、さらに倍の資金が必要になりますし、リスクも2倍取る事になります。

 

このように、2段階で買う(売る)というのは、とても有効な戦略です。

 

もちろん、これが3段階になる時もあります。

 

大事な事は

 

「最大限に勝つ事よりも、負けない事を考える」ことです。

 

株式投資に必要な事は「欲」と「恐怖感」をコントロールする事です。

 

そして、上級者は、市場参加者の「欲」と「恐怖感」を利用して売買します。