証券マンとプロゴルファーとの共通点
証券マンとプロゴルファー
これってとてもよく似ていると思います。
これについて3つの点からお話します。
1つ目は
世の中では
「プロは失敗しないもの」
あるいは
「プロはうまくいって当たり前」
という、思い込みがあります。
そういう種類の「プロ」もあるかと思いますが
「証券」の世界で
全員が儲かる(勝つ)
というのは、どうあがいてもあり得ません
なぜなら
ゼロサムの世界だからです
誰かが儲かった分は、誰が損した分
そうお考え頂いて構いません
なので、最初から全員は勝てませんし、全員が負ける事もありません
なので、
証券マンの中にも
単なる職業(サラリーマン)としか考えていない者がいる一方
プロとしての気概と努力を持って仕事に臨んでいる者もいます。
ただ、そんなプロ意識の高い証券マンでも
全戦全勝(勝率100%)は不可能てす!
なぜなら、どれだけ努力して予測を立て、感覚を研ぎ澄ましたとしても、必ず運の要素(割合)は残ります。
この「運」の割合をいかに少なくするかがプロの腕の見せ所です。
勝率7割なら上等!(ビギナーがなんとなくやると3割位と言われてます)と言われる投資の世界において、それに近づけ、それを追い越すための努力ができる者だけが、真のプロ証券マンと言えます。
プロゴルファーもそうです。
プロゴルファーならOBやシャンク、バンカー、池ポチャ等あり得ない!
と思いがちですが
OBやシャンクはあまり見ないとしても、バンカー、池ポチャはちょくちょく見られますし、射程距離からグリーンを外す事などしょっちゅうです。
ただ、そうなる確率がアマチュアと比べると、天と地ほど違います
この差が積み重なる事で、プロとアマチュアの決定的な差となっていきます。
2つ目ですが
リカバリー(修正)能力です。
プロとアマチュアの決定的な差はここで出ます
プロゴルファーでも、失敗してからのリカバリーがとても凄いです。
典型的なのはバンカーに入れた後、ワンショットで確実に寄せて来たりします。
証券マンも同様です。買う銘柄や位置を間違えた、あるいは状況が暗転した時に、いかにロスを出さずに、あるいは損失を最小限に抑えて、次の銘柄に移行して利益を取るか?
これが腕の見せ所です。
ただ、プロゴルファーと異なるのは、結果と最終判断はお客様に帰属しますので、なぜそれが失敗であり、どう挽回するのかをお客様に提示し、わかりやすく説明する事が求められます。
これは医師のインフォームドコンセント(十分な情報を得た上での合意)によく似ています。
3つ目ですが
致命的なミスを犯さない事です。
プロゴルファーでも、一か八かの勝負は避ける傾向があります。
例えうまくいったとしても、それを繰り返し続ける事は不可能に近いからです。
証券マンにも同じ事が言えます。
もちろん、お客様の望みがそうであって、大勢に影響がない、あるいは他の部分で十分にリカバリーできる時には、あえて受ける時もありますが、そうでなければ反対の意思を伝えますし、そうであるべきかと。
それでも、というならそれはお客様の判断ですのでそれに従います。
わかりやすく言えば、リーマンショックの最中、特に前半であれば、極端な話、株式に拘る限り、何をやっても無駄です。
そういった時には、例えどんな魅力的な銘柄でも、雪崩に巻き込まれるリスクが高いからです。
仮にそうでない銘柄があったとしても、それを狙うという考え自体が
「当たり馬券を後から見て、買っとけばよかった!」と考える行為に等しいです。
よく「塩漬け」という言葉を聞きますが
拙者の辞書に「塩漬け」という文字はありません。
それは「勝つために考える行為を放棄した」事に等しいからです。
これまで、この仕事を長くやってきましたが
ほとんどのケースで、この「塩漬け」が美味しい「漬物」に仕上がったのを見たことがありません。
ほとんどは、そのまま腐ってしまうのがオチです。
野菜を塩で揉んだだけで、そのまま長い期間放置したらどうなりますか?
その致命的なミス(当てのない放置)が、もし、資産の過半数を越えているようであれば、もはや修復は物理的に不可能となる事さえあります。
プロにはプロたる所以があります。
ただ、残念な事に、近年この「プロ意識」を持たない(あるいは忘れてしまった)証券マンが増えているのも事実です。
それを再生したい夢を持てばこそ
拙者は「侍」として、
ここに「武論具(戦うための武器について論ずる道具)」を立ち上げている訳です。
今回、凄く真面目に書いてしまいました。
株侍Proでございます🙇