株侍Proが相場と世の中を斬る!

現役プロ証券侍が行う世直し! 戦国の世を生き抜く!

20年ぶりのIT相場到来の序曲(2)

「武士は食わねど高楊枝」などと言っている時代ではありません。

 

武士の家計簿

「そろばん侍」

これは確かにそうだが

 

今や、「文武両道」こそ、日本侍の目指す道!

(* ̄∇ ̄)ノ力説!

 

では、客人方、参りましょう!

 

経済にはサイクルがあることはよく知られた事です。また、株式市場にもサイクルがある事はなんとなくわかるでしょう。

では、具体的なメカニズムは?
最も重要なものってなんでしょう?

 

投資に限らず、市場や資本主義経済は

ゼロサム」の世界なので、綺麗事などありません。残酷なまでに「勝者」と「敗者」に分かれます。

ゼロサム」とは、一定期間で区切った場合、その「利益」と「損失」の額は一致する。ということです。

 

誰かが判断を誤るからこそ、誰かが儲かるわけですし、自ら望んでとった行動が、逆の結果を招きやすい仕組みだからこそ、その仕組みを理解して、利用できる者こそが確率高く、大きく勝つ事ができます。


その仕組みに呑まれて市場の人柱になるのが、自分の顧客であっては困りますが😅

 

話を進めましょう。
経済や相場を推し量る上で、最も大事な事は、お金の量の変化と、その流れを掴んでその変化を予測する事に尽きます。


今、巷では米国を中心として、「利下げ」を注目視していますが、利下げそのものは、現状そこまで大事な訳ではありません。
むしろそれに伴う「資金供給量の増加(減少の停止)」こそが真に大事な事です。
マスコミがなぜそこにフォーカスしないのかは謎です。おそらくマスコミも仕組みを理解してないんでしょう。


気をつけたいのは「利下げ」=「資金供給量の増大」ではない事です。
これにはタイムラグが生じる事もあります。また、資金供給の手段もいくつかあります(詳細はここでは省きます)。


発券銀行である中央銀行(日銀やFRB、ECB)は主として二つの手段で国の経済をコントロールします。それが「資金供給量の増減」と「短期金利の上げ下げ」です。これをバカにしてはいけません。


昔、ある銀行家が言っていたそうですが

「もし、私が中央銀行の政策を好きにしていいなら、他に何もいらない」<(`^´)>
と豪語した位、とても大事な事です。


一口に資金供給量といっても、中央銀行が供給するマネタリーベース(ベースマネー)、それが、銀行の持つ機能出来のる信用創造によって膨れ上がるマネーストックがありますが、ここでは前者と捉えて頂ければいいかと思います。


そもそも、今回の相場の発端は今から11年前のリーマンショックにまで遡ります。


当時FRBは事態の早期終結を図るために、凄まじい量の資金供給(QE)を開始しました。
これがリーマンショック後の株価の急反発を生み、米国株を中心に株価を上昇方向に反転させます。


次に2013年に日本が引き金を引きます。ご存じの方も多いと思いますが、「資金供給量を2倍にする」いわゆる「黒田バズーカ」です。


次に、ECBも欧州危機を回避する事を建前として、「資金供給レース」に途中参戦してきます。


これにより、増加したお金は、短期金融市場という金利の市場を経由して、徐々に株式市場に流れ込み、日本だけでなく、世界の株価がさらに上昇します。


流れを整理すると、


世界的な危機を終息させるために世界的に資金供給量が増します。


→最初は安全性を重視し短期金融市場や債券市場(金利もの)にお金は入ります


→債券は買われるほど金利が下がるので、徐々にその魅力は薄れます


→①反対に徐々に株式市場(最初はより安全性が高い国、企業)に流れ込みます。


→物色対象が横に広がる事で、総花的(全体)に株価上昇が発生します。


→業績が安定的、あるいは厳しい企業は株価が上昇する事で割高になってきます


→ここで軽く調整が入る事があります

(2016年の株価調整はこれにあたります)


→②調整が完了し、徐々に成長性の高い企業(国)に資金がシフトしてきます。


→成長性の高い銘柄を追い求めた結果、

短期的に大きく買われる事で、

いくら成長株でも株価がその企業の

成長性を上回り割高になってきます。

     また、成長ストーリーの中には、

その時点で、現実化してないものもあり、

それを買い上げてしまう(理想買い)ことで

株価がいったんベストシナリオを織り込んでしまいます。


→ここで、買われ過ぎた反動から、株価が

いったん大きく下がる事で調整が始まります。「相場(経済成長)は終わった」と

多くの人が勘違いするのはここです。


→さらに進むと、国と中央銀行

「相場(経済成長)は終わる可能性がある」

と勘違いします。
    そして、中央銀行による

資金供給(金融政策)と政府による経済対策

(財政政策)が順次行われます。


→これらが効果を発揮するのには、

半年~1年程度かかるので、

せっかちな投資家やマスコミは

「効果がない」と勘違いして、

さらに多くの政策を要求します。

(これを「催促相場」と言います)
     これに、各政府や中央銀行が応えてしまう

ことで、本来必要な分以上の、あるいは、

本来必要ないのに金融、財政政策が余計に

行われてしまいます。


→③時期が到来し、いよいよその効果が出て、株価の上昇、経済統計が上昇してきます。

    最初は徐々に、そして加速していきます。      しかし、時既に遅し。事前の予想を超える「経済の急拡大」と「株価の急上昇」は止まりません。

 

→この「経済の急拡大」と「株価の急上昇」の結果、「株価が通常の投資尺度では説明がつかなくなった常態」

これが「バブル」です。

よく投資家やマスコミが間違う点として

「株価の大幅上昇」=「バブル」

ではありません。

「株価の計算上の理論値」を上回ってしまった、その「上澄み部分」が「バブル」です。

 

→いったんこの状態に入るともう止まりません。

    「買うから上がるし、上がるから買う」

     一定期間、この状態が続きます。    


→ここで中央銀行が動きます。それまでも、段階的利上げを行い、それを踏襲しますが、

人々の欲と悪い学習効果(降りる事への恐怖感)が働いて、もはやあらゆる警告にも、耳を貸しません。

「バブル状態」でかつ「沸騰状態」です。


→④中央銀行は最終手段に出ます。

これまで大量に供給してきた「資金供給量」

を大幅に減らします。

本物のプロ証券侍は、「引き時」と判断し、

「株式合戦場」から次の「合戦場」へと、資金を移動し始めます。

仕組みを知らない、多くの投資家となんちゃって証券侍は、頭が強気モードになっていて、変わらず「株式合戦場」で、

お祭りモードです。


→株価は大きく下げ始めます。

いわゆる「下げの初動」です。

最初は様子を見ていた投資家も、

売りが一巡して戻し始めると、

我先に買いまくります。

 

→この買いにより、株価は高値を越えない程度に大きく戻します。

逃げ遅れた方は、ここで欲張ってはいけません。

それが最後の逃げ場ですから。

プロ侍の中には、ここから本格的に

「カラ売り」で応戦する者も出てきます。


→⑤そこからが本格的な下落です。通常、本格的な下げ相場は2-3年続きます。

それはこれまでの上昇を打ち消すほどの、人々の想像を超える下落です。

そして、後に○○ショックと言われます。


→そして、至るところで、経済、株式市場の両面、ヘタすると国の経済が壊滅的な打撃を受けます。

 

→国や中央銀行は「財政政策」や「金融政策」を行いますが、こうなると、もう1年程度では止まりません。

次々と悪い話ばかり出てきます。

 

→そして、多くの人が経済と株価の上昇を諦めて絶望感に打ちのめされた頃。

ようやく、「財政政策」と「金融政策」の効果が出始めて、再び最初に戻ります。


このサイクルは最低でも、5~10年ぐらいかかります。特に今回は長いです。
理由はここでは省きますが、これにも仕組みがあります。


普通、人が覚えていられる期間なんて、せいぜい2.3年ですし、ヘタすると去年の事でも忘れてしまいます。
経済と相場のサイクルはそれよりかなり長いです。

だから多くの投資家やなんちゃって証券マンは相場と経済の位置と状況がわからなくなってしまいます。
もちろん、本物のプロはそうなっては失格なんですけど。


さて、ここで質問です。
先程のサイクルで現在はどこでしょうか?

 


ここまでお読み頂いたならわかりますよね

 


③の手前、金融政策と財政政策を順次やってる所ですね。


今年の1月、口火を切ったのは中国です。40兆円規模の経済対策発表(具体策は3月発表)と12兆円ほどの資金供給(その後もやってます)を行いました。

 

何もわかっていないマスコミが言うのは、「効果は期待できない」でした。

 

本当でしょうか?発表してすぐなのに、

正確な効果測定もせずに、なぜ効果がないと断定できるのか?謎です。

そして、今や完全に忘れているようです。😅


また、その後も新興国を中心に利下げが相次ぎましたが、これには資金供給を伴う事が多いです。

これはマスコミ無視。欧州は昨年末で資金吸収(減少)をやろうとしてましたが、これはストップ。

むしろ資金供給(増加)するかも状態に入りつつあります。

 

米国はもうじき資金吸収を終える事を公言してます。利下げとなれば、再び増やすかもしれません。


イギリスが迷走してますが、ブレグジットとなれば、金融政策と財政政策はやらざるを得なくなるでしょう。


我が国日本はどうか?
既に10月の消費税に向けて、経済対策(財政政策)は準備されてます。
日銀はどうするのかなあ?

今の所、ぼちぼち資金供給はやってます。

これを加速させるかどうかが、この先の日本のマーケットの運命を握っています。


こんな感じで、着々と次のエネルギーが充填されつつあります。

 

ちなみに、「財政政策」や「金融政策」が発動するためには条件があります。

 

それは、「多くの人」や「政府、中央銀行」が「この先、景気が悪化しそうだ」と

強く思わなければいけません。

「それを食い止めるため」という「大義」がなければ、政府、中央銀行も動けないのです。

 

なので、ここで「マスコミ」の出番です。

マスコミの本質は「視聴率(発行部数)を上げること」

なので、「人々の悲観に訴える」そして、「できるだけセンセーショナル」に報道します。

いわゆる人々の「怖いもの見たさ」に訴えるわけです

 

私が前編で「今はもっと人々が悲観的になったほうがよい」というのはこれが理由です。

今より強力な「金融、経済政策」が打たれることで、その分、後の相場上昇が大きく、高くなる事を見越しています。

 

いわゆる

「高く飛ぶためには、低くしゃがみこまなければいけない」

ということです。


では、今全力で買うべきなのか?
何でも買っていいのか?


そう簡単に言えない所が、相場の奥の深い所です。


おそらく、初動が出るのは秋から年末にかけてかと思ってます。


それまでは日本株はいったり来たり。
しかし米国はそのまま行ってしまう可能性があります。


ただし、いずれにしても、ここから先はターゲットをどこにするかで、明暗が別れると思います。


そのあたりの具体的な話は、また改めて。😁


そうそう。
先の流れの①~⑤ですが
これは、相場の動きからの構成を指してます。
大相場は「三段上げの二段下げ」と言われます。


ちなみに、

30年前の日本のバブル相場(日本)、

20年前のIT相場(ナスダック)、

13年前のブリックス相場(中国、香港)

もそうですし、近年だと、

仮想通貨バブル(ビットコイン)もそうでしたね。
既に一相場完結して、また上昇しているようですが。(ちなみに、私は仮想通貨は信用すらしていません。)


実際にピーク手前7年、後3年(相場によって期間は違いますが)ぐらいで株価指数チャート(グラフ)を見てみると、見た目にわかりやすいです。


日本人に多い行動パターンは、

①~③段目の序盤で動けず終盤で買って、

①②だと直後の調整で損切り

③④の後の戻りで全力で買って、

そのまま持って奈落の底へ。

これが多いです。


海外の方に言わせると、

「日本人は歴史に学ばない」そうですし、

私から見ても

「日本人は目に見えないものを推し量る事が苦手」だと思います。


そろそろ汚名返上してもいいのではないかと。


そして、ここからが汚名返上の当面の最後のチャンスではないかと。


あと5-10年先でよければ、違う形でまたチャンスが来るかもしれませんが、

私にも今の時点では、さすがにそこまでの予測はつきません。😅

 

むしろ、その前(5年前後先)に、大変な惨事が起きる事の方が気がかりです。